寺に住むカレー妖怪のブログ

埼玉は芋芋しい町のとあるお寺に住みついているカレー妖怪のブログです。寺務したりカレー食べたりカレー作ったりカレーを愛でたりしています。 住職に隠れてこっそりやっているお寺のフェイスブック→https://www.facebook.com/unkousan/

ご当地レトルトカレー布教①

道の駅で、土産物屋で、デパートで売られているご当地レトルトカレー

「所詮レトルト」「所詮出オチ」「所詮味は二の次」そんなイメージをもっていませんか。

 

それはちょっともったいないかもしれない。

想像以上に、ご当地レトルトカレーは奥深い。

と、思っているので、「所詮」イメージから脱却をはかるべく、その奥深さを勝手気ままにご紹介。

 

 

ご当地レトルトカレーのここが奥深い①

~そもそも「ご当地レトルトカレー」ってなんだ?~

 

ご当地レトルトカレーって、どんなカレーを指すのでしょうか。

たとえばこちらを見てみてください。

(画像元:https://www.amazon.co.jp/%E5%90%89%E7%94%B0%E3%83%8F%E3%83%A0-%E9%A3%9B%E9%A8%A8%E7%89%9B-%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%BC-220g/dp/B002STYWSC

飛騨のご当地牛「飛騨牛」をたっぷりつかったビーフカレー

これが「ご当地レトルトカレー」か、と聞かれたら、ほとんどの人が「はい」と

答えると思います。

なぜなら「ご当地の食材」を使用しているから。

 

では「ご当地の食材」を使っていれば「ご当地レトルトカレー」なのか?

極端なことを言うと「名産というわけではないけれど一応収穫できる地元の人参を使いました」というカレーは「ご当地レトルトカレー」に入るのでしょうか?

 

また、次の場合はどうでしょう。

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(画像元:https://www.amazon.co.jp/%E3%83%A4%E3%83%81%E3%83%A8-%E3%82%88%E3%81%93%E3%81%99%E3%81%8B%E6%B5%B7%E8%BB%8D%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%BC-200g%C3%975%E5%80%8B/dp/B00HPJ0NAG/ref=sr_1_2?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E3%82%88%E3%81%93%E3%81%99%E3%81%8B%E6%B5%B7%E8%BB%8D%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%BC&qid=1554118368&s=food-beverage&sr=1-2

神奈川県横須賀市の「よこすか海軍カレー」。

よこすか海軍カレーは、「原則は、海軍割烹術参考書(明治41年)のレシピに基づき調理したもの」です(横須賀市HPより/https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/2150/curry/profile/profile4.html

特別「ご当地の食材」を使用しているわけではありません。

それでもよこすか海軍カレーは「ご当地カレー」全国NO.1の知名度を誇っています。そのレトルト版は「ご当地レトルトカレー」と言えるでしょう。

これは、よこすか海軍カレーが、海軍港として発展した横須賀の歴史と、日本のカレーが、イギリス海軍の軍隊食をルーツに日本海軍に伝わり、全国に広がっていったというストーリーとが合わさっているカレーだからです。

 

さらにさらに。

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(画像元:https://web.hh-online.jp/hankyu-food/goods/?ggcd=h2170073

2002年まで存在していた阪急百貨店大食堂のカレー。

当時を知る人も知らない人も、「阪急」が印字されたこちらをお土産にもらったなら、

おおきに!」と言ってしまうはず。

 

 

つまり、そう。ご当地食材じゃなくていいんです。

「そこ」に行ったことがわかるカレー。

カレーを通して「そこ」を感じられるカレー。

それがご当地レトルトカレーではないでしょうか。

 

そこに気付くともうおもしろい!

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(画像元:Amazon https://www.amazon.co.jp/%E7%A6%8F%E5%B4%8E%E7%94%BA%E8%A6%B3%E5%85%89%E5%8D%94%E4%BC%9A-%E6%92%AD%E5%B7%9E%E7%A6%8F%E5%B4%8E%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%B1%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%BC%E5%B0%BB%E5%AD%90%E7%8E%89%EF%BC%88%E3%81%86%E3%81%9A%E3%82%89%E3%81%AE%E5%8D%B5%EF%BC%89%E5%85%A5%E3%82%8A%EF%BC%881%E9%A3%9F%E5%88%86200g%EF%BC%89-1%E7%AE%B1%EF%BC%881%E3%83%91%E3%83%83%E3%82%AF%EF%BC%89/dp/B06Y13CPCS

民俗学者柳田國男の出身地、

兵庫県神崎郡福崎町の「かっぱカレー」。

著作「遠野物語」にちなんで、かっぱ。にちなんで、尻子玉。をうずらで表現。

(肛門にあるとされる玉でかっぱの好物。抜かれると死ぬとか腑抜けになるとか…ひえ。)

 

ここまでくるともうね!

「そこ」感をこういう風に表現するんだ!っていうおどろきとおもしろさと、

そこに食べ物にもちろん求められる「おいしさ」が加わるものに出会えるとね、

「所詮」感はなくなります。

そしてどんどん楽しくなる人も、もしかしたらいるかもしれません。

「このカレーから感じる「そこ」感はどこから来るんだろう?」

そんなことを考えながら、カレーをほおばったり、デパートのカレー棚を眺めるのもまた、一興ですよ。