前回の記事(https://currymandara.hatenablog.com/entry/2019/07/25/181215)にて、都こんぶカレー、チロルチョコカレーなどの”企業コラボカレー”は、それぞれの企業の発祥地である大阪、福岡の”ご当地レトルトカレー”になり得るのか?
すなわち、企業コラボカレーは、カレーを通して「そこ」を感じられるのか?
という疑問をもちました。
この疑問に対して、まず以下の考えがあると思うのです。
その企業が「そこ」と結びつきがあることを受け手が知っているかどうかがポイントなのではないか。
この前提に立つと、私は都こんぶの会社が大阪発祥、チロルチョコの会社が福岡発祥であることを知らなかったため、私からすると「ご当地レトルトカレー」ではない。ということになります。
しかし、
しかしですね、
私はここに「シチュエーション」と「パッケージ」による「追いご当地感」の存在を主張したい。
まずシチュエーション。
私は都こんぶカレーを「大阪旅行のお土産」として、チロルチョコカレーを「福岡出身者からの福岡差し入れ」としていただきました。
その文脈でこれらを受け取ると、「えっ、これってその場所と関係あったの??」という驚きが最初に来つつも、それぞれのご当地とこれらのカレーの結びつきがスッと入ってくるのです。むしろ驚きがあったからこそ、その場所との結びつきが印象に残りやすいとも言えます。
実は「都こんぶカレー」は後日別の方からもいただきました。
ただし、その時は「ヴィレヴァンにあっておもしろかったから誕生日プレゼント!」という文脈で受け取ったんです。
ありがたいことに変わりはありませんが、ここで受け取った都こんぶカレーは、
「ご当地レトルトカレー」としての存在とはちょっと違うかな、と思うんです。
やはり「だれから」「どのような意味で」受け取るか。このシチュエーションが大事なんですね。
次にパッケージ。
チロルチョコカレーのパッケージ、表は原作?を模したユーモラスなものですが、
注目するのは裏面です。
地図でご当地を大々的に主張しているんです!!!
自社情報だけではなく、炭鉱節発祥の地という田川市の特徴を紹介しています。
しかも、
パッケージうらのほとんどの面積を占めて、こんなにも田川市を主張しているんです。
これを見れば、元々知っているか否かにかかわらず、チロルチョコ=田川市という結びつきが心に残るはず。
むしろチロルチョコによってはじめて田川市の存在を知ることもありましょう。
企業コラボカレーはカレーを通して「そこ」(ご当地)を感じられるのか?という疑問。
企業とご当地の結びつきを知っていれば、きっと感じられるはず。
しかしそうでなくとも、
その結びつきを誰かが運んでくれることによって、パッケージがその結びつきを
教えてくれることによって、我々はカレーを通じて「そこ」を感じ、あるいはカレーによって「そこ」をあらためて発見することができるのです。
企業コラボカレーは「ご当地レトルトカレー」になりうる。
そう確信した初夏の雑感でした。