寺に住むカレー妖怪のブログ

埼玉は芋芋しい町のとあるお寺に住みついているカレー妖怪のブログです。寺務したりカレー食べたりカレー作ったりカレーを愛でたりしています。 住職に隠れてこっそりやっているお寺のフェイスブック→https://www.facebook.com/unkousan/

ネパール・ルンビニ旅④

前回のあらすじ:腹が減ってはルンビニに行けぬ。

currymandara.hatenablog.com

 

腹ごしらえを終えて、数軒隣の貸し自転車屋さんへ。

パスポートを見せたり宿泊先を伝えたりなどの諸手続きの後、

カレー妖怪 は じてんしゃ を てにいれた!(テーンテテテテテテー)

よろしく相棒。

店頭にはかっこいい系?の自転車が2,3台並んでいたが、私が女性だからゆえの気遣いだろう、店主さんが奥からえらくラブリーな、ちょっと(かなり)年季の入った自転車を出してきてくださった。私は何歳に見えていたのだろうか…しかしそのお心遣いがうれしいですよね。

いざ!ルンビニへ!

タクシー運ちゃんが教えてくれたゲートに向かってペダルを踏みだした。

 

そして速攻でストップをかけられた。

「自転車はこのゲートからははいっちゃだめだよ、向こうにゲート4があるからそっちから入ってね。」出鼻クラッシュ。

一番行きたかったエリアに最も近いゲートからは自転車では入れないらしく、数百メートル離れた別のゲートへ急いだ。(宗教施設や遺跡が立ち並ぶいわゆる「ルンビニ」と言われる領域は壁に囲まれており、いくつかのゲートから中に入ることができる)

公道は砂埃が終始舞い、車とバイクの往来が激しい。スピードをなるべく緩めたくない!という確固とした意志が通り過ぎていく車体から伝わってくる。タイムリミットが迫る中のロスだし空気は良くないしなまったるい暑さ。それでも久しぶりに下半身を動かせた解放感と、ルンビニの地でキィキィ鳴りやまぬ中古自転車を漕いでいる状況の愉快さに、ちょっと気分はわくわくしていた。

 

2,3分自転車を走らせ、とうとう「ルンビニ」の領域へ。そこからまた2,3分。目指すエリアがやっと見えてきた。

ルンビニ」は大きく三つのエリアに分かれている。

一つが、お釈迦様生誕の地であることを記念して建立されたマヤ・デヴィ寺院を中心とした「聖園」(Sacred Garden)、二つ目が、世界各国の仏教寺院が立ち並ぶ「寺院地区」(Monastic Zone)、三つ目が、カルチャーセンターやホテル等来訪者に向けた施設が並ぶ「新ルンビニ村」(New Lumbini Village)である。三つのエリアは縦に並ぶように配置され、それぞれのエリアを運河が縦断している。

ちなみに国連主導の下ルンビニ再整備計画が立ち上がった時に、上記のようなエリア分けを含むマスタープランを作成したのが日本の建築家・丹下健三であった。マスタープランとしては、来訪者は北部のNew Lumbini Villageから入り、運河を縦断して各寺院を訪れ、最後に歴史的にも宗教的にも最も重要なSacred Gardenにたどり着く、という想定なのだが、時間の関係上、他エリアをかすめることもなく速攻Sacred Gardenを目指した。ごめんなさい…。ちなみにマスタープランはまだ完成したわけではなく、工事中のところがちらほらだった。完成した際には皆さん、どうかプランをなぞって訪れてみてください。それが一番ルンビニを堪能できる動線だと、丹下さんが心血注いで考案したはずなので…。

 

ルンビニの軸線となる運河。

 

聖園の入り口に着いた。ここから先は徒歩である。自転車を停めようとした矢先、物乞いの子どもたちが3人くらい一気に間合いを詰めてきた。海外でこういう状況に出会ったときどうすればいいのか、私はまだ結論を出せていない。

 

ゲートを抜けて聖園内部へ。ネパール人、インド人、ヨーロピアン、様々な人種の人々が、マヤ・デヴィ寺院までの参道を往来していた。(この辺の国の人ではないかつソロ活動をしているのはぱっと見自分だけだったので中々目立つらしい。)

すごくわかりやすいルンビニの主張。

もう少しでマヤ・デヴィ寺院というところで、小さい小屋のような建物。

チケットブースだ。…え?チケットブース???

しまったー!!!入場料のこと頭から抜けてた!!!また所持金が減る!!!!

(聖園エリアだけ入場料が必要です)

入場料を払う。運ちゃんが指定した帰りのタクシー料金の額(2000ルピー)、足らず。

FIX(固定制)って言ってたけど実際に足りないなら諦めてくれないかな…でもこういう踏み倒し?するの初めてでビビりまくりな自分がいる…どうする…。

「すみません…この辺で日本円をルピーに替えられるところありますか…」

チケットブースのおじさん「ゲート5の外(最初にタクシーを降りたところ)にあるよ!」

あ…助かった……安心すると同時に、またタイムリミットを自ら無駄に消費することが決定されたのである。