街に出ると、見た目が華やかで、いわゆる「映え」るカレーを見る・食べることができます。
インスタやTwitter等、みんなで共有できるツールがあり、
カメラやアプリで高クオリティの写真が撮れるともなると、
思わず「見て見て!」って言いたくなりますし、見て楽しく食べて美味しい一石二鳥感。
作り手側もそれを意識してかしないか、「映える」カレーの作り甲斐・考え甲斐もあるかもしれませんね。
もちろんそういうカレー、私も大好きです!!
ただ、昨今話題の「スパイスカレー」や、インド各地域のカレー、ネパール、パキスタン、欧風、タイ…
どれだけのカレーを目にし口にしに来ても、
わたしの心の根本にある ”カレー” を問われると、
こんな情景が思い浮かんでくるのです。
…
夏休み、夕暮れ時。
友達と外でめいいっぱい走り回り、虫取りをしたり鬼ごっこをしたり…
さんざん遊んで、身体に程よい疲れを持って家に帰ってくると、玄関の前で自転車をとめたところから、漂う匂いでもう気付くのです。
「あ、今夜はカレーだ!」
具材がごろごろと入ったカレーをスプーンでめいいっぱいすくって口に頬張ると、ピリッとしつつも野菜の甘さも広がるまろやかなおいしさが、適当な体のだるさをやんわりつついて、充実した一日のしめくくりを感じさせてくれます。
…
こんなカレーの原風景、共感してくださる方もいるはず。
つまり何が言いたいかというと、
家庭カレーも、良いものですよ。
お外のカレーの写真を並べてみて、「あそこのカレーおいしそう!」
「今度行ってみようよ!」と盛り上がるのも素敵ですが、
情報共有を容易にする現代ツールを活かし、家庭カレー写真を集めて並べてみることで、家庭カレーならではの魅力・楽しみが味わえるんです!
■家庭カレーの楽しみ方① ー家庭ごとの違いを見てみるー
「ウチのカレーなんて、別に普通だよ?」と思うかもしれません。
しかし、ここで、5つの家庭カレー写真を見てみます。
①
②
③
④
⑤
五者五様ですね!
一枚目は我が家のカレーです。
向こう側に、たまたま友達からいただいた石巻お土産のカレーがあいがけされて、たまたまいただいたトマトが乗っておりますが、手前の情景は母作のカレーの定番型。
私もこのカレー、「普通の」カレーと思っていたんですけどね、
2枚目や3枚目のカレー写真と見比べていく中で、我が家、じゃがいもの存在感でかいな!ということに気付きました。
これは「じゃがいもが溶けにくいように」という母の配慮からなんですけど、
他の家庭カレーと並べて見て見ることで、「あなたの家のカレーってどんなの?」という質問に、「じゃがいもがでかい!」と答えられるようになりました。
他者を通して自らのオリジナリティに気付くという発見ができたんです!
「じゃがいも」にフォーカスをあてると、4・5枚目だとそもそも存在すらしていない。なんてこった!
じゃがいもの存在感を個性としている我が家からすると、日本家庭カレーの三種の神器が欠けているというのは驚愕でした。
4枚目の写真提供者にうかがうと、「じゃがいもを入れると味がぼやけるから入れない」とのことでした。
普段寛容な性格の持ち主である彼女ですが、ここでは頑としてじゃがいもを排斥していたのが印象的(じゃがいもが嫌いなわけではないのです。多分。)。
5枚目の方は、「好きなカレーのじゃがいもと好きじゃないじゃがいもがある」
「大きすぎず、一緒に食べたときに勝ちすぎない感じ。ただし多少は沁みててほしい。」
とのこと。わ、わかる!!ルーとのバランスは大事ですよね。柔らかすぎず固すぎない、ルーに染まりすぎず潔癖すぎない塩梅…!!
(といいつつ我が家のじゃがいもは受け入れられなさそう…。)
さらに、違いを生み出す明確な理由はわからないものの、「案外切り方の問題かも」ということでした。確かに、じゃがいもがある1~3枚目も、切り方や大きさがそれぞれ異なるからか、じゃがいもの印象が違いますものね。
と、こんな感じで5つの家庭カレーを見比べてみたところでお気づきになられたでしょうか。
あなたの家の「別に普通の」カレーは、他のお家では「別に普通」ではないのです。
色んな「家庭カレー」を見ることで、自分の「家庭カレー」の個性に気付く。
もしかしたら前よりも、自分の家のカレーに愛着がわくかもしれません。
今回は各家庭のものを見比べてみる、というアプローチで家庭カレーを見ていきました。ほかの楽しみ方も、また次回以降に。
写真を提供してくださった皆さん、ありがとうございます!