お寺の仕事ってなにするの?と聞かれることがあります。
お寺の仕事と聞いて、ぱっと思い浮かぶのがお経をとなえることかと思いますが、私はお坊さんの資格を持っていないので、お経をあげることはできません。
じゃあ法事があってもすることないのか、というと、そういうわけでもなかったりします。
法事があるとき、前日~当日の寺務員は、だいたいこんな感じ。
①前日~当日朝 玄関の準備
法要来山者用玄関を準備する。
ほうきと雑巾で掃除して、傘立てや、腰掛け用のいす、法要後の墓参用のお花を挿しておく壺などを用意。
朝っぱらに掃除していると、玄関から真東の山門の方からぱーっと朝日が差してきて、とても気持ち良いのが寺に住んでる特権かなあと思う。
おかげで、掃除が終わったところで晴れ晴れと、一仕事終えた気分になるけど、実際は一日の始まりである。終わった後はビールで1杯!なはずもなく、コーヒーを1杯。
②前日~当日朝 控室の準備
当山では、法要30分前を目安に出席者が来山し、法要が始まる前まで控室でお休みいただいております。その控室をセッティング。
教えていただいている人数分の席、お湯呑み、お茶托、お菓子等のお茶セットを準備し、お湯をわかしてポットに入れるなど。
人数が前後するときもあるので、席もお茶セットも必ず少し多めに。
基本、席は座布団ですが、足腰等の事情も考えて椅子も少し用意。
じゃあ全部椅子にすれば良いのでは、という考えもあるかもしれないが、
座布団に触れる機会が減っている中、少しでも座布団との出会いを残しておきたい、とも思う寺務員。
②が一段落したら朝ごはんを作り、日曜日はプリキュアを観て小休憩。
プリキュアはモチベーションの塊。勇気と元気をもらいます。大事です。たまに休みだとしょんぼり。
プリキュアが終わったら朝ごはんを食べ、③に供えます。
当山では法要は10時~、または11時~が多いので、このあたりで控室とお手洗いの電気をつけて、ストーブあるいは扇風機をつけ、控室を準備完了に。
③来山者お出迎え
いらした方々を控室に案内し、お供物、お布施を受け取り、四十九日の場合等はお骨、お位牌やお写真等を受け取り、本堂に供えるものは供え、伝票等の帳票を書く。
お供えの位置取りが地味に難しい。セットして真正面から見ると中心軸からずれていたり、お供えが複数ある場合は左右対称になってなかったり…位置取りして正面で確認して、直して確認して…を繰り返して、お、これで大丈夫かな?と思っていると、
最終確認に来た住職に直されたりする。
④電話・来客対応
法要があるときも、時に電話は来るし、時に別件の来山者もいらっしゃる。
お供えの位置取りにまごまごしていると、「♪♬♪~~」と電話が鳴る。
走ると怒られるので速足で電話に向かう。
そんな時に来るのが勧誘の電話だったりするとなんとも言えない気持ちになるときも。
⑤法要準備
ろうそくの火をつけたり、お焼香の火をつけたり、本堂の電気やストーブ、扇風機をつけたり。うっかり忘れていたり、他のことをしていて出遅れたりすると、住職に準備される。なんだか悔しい。非常に悔しい。
⑥控室・お手洗いの片づけ~次の来山者への控室準備
来山者の皆様が本堂に行かれ、法要が始まると、控室を片付ける。
洗い物、お手洗いの確認など。次の法要があるときは、②の準備をもう1度。
法事が3件、4件と続けばもう2度3度。
まごついていると準備し終わる前に次の方がお見えになってしまうので、結構タイムアタックである。門から玄関までの直線方向を盗み見しつつ、タイムアタック。
慌てるとこぼしたり落としたり…。
⑦本堂片付け
法要が終わったら、法要前の形に本堂のあれやこれやを戻す。
電気、いす、冷暖房機器、戸締り等。お焼香炉周りの掃除等。
⑧玄関・控室・お手洗い片付け、掃除
全部元の形に戻す!しまう!そして掃除!!
法要を終えた方々が墓参に行かれた後、お手洗いをお借りすることがあるので、
掃除はちょっと待ってから。
⑦⑧の片付けは神経を使う。なぜなら(1)お寺の什器はやたら重い。(2)住職が細かい性格である一方、私は元来おおざっぱな性格である。からである。
(2)については努力中である。位置・角度を本当に正確に戻さないと住職修正が入る。そこまで細かくならんでも…と言いつつ、修正を入れさせてしまったという悔しさと後ろめたさは否めないので努めるしかない。が、時折、住職自体が「気分で」元の位置とは違う形に訂正したりする。そこはもう知らんがな!
そんなこんなで、一応、お経をとなえられなくとも、お仕事してたりしています。
法要に来られる方々は、色々な思いをもって来山されています。
そのような方々にどのような姿勢でお迎えすべきなんだろうかと思うこともありますが、まずは1つ1つの仕事を一人前にできるよう、頑張りたいところです。